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スラムの中に縫製技術学校がオープン!

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イスラマバードの各セクターにあるスラム、通称”クリスチャンコロニー”。
その名の通り、スラムに暮らす大多数はキリスト教徒ですが
イスラム教徒、ヒンズー教徒が混在しているコロニーも
少なくありません。

”貧しい人たちが暮らす不衛生で汚い居住区” 

スラムは、まさにイメージそのままの場所ですが
今日は、そんなスラムから嬉しいスクープ。

なんと、先月20日、スラム内にスラムに暮らす女性たちの自立を
支援する”縫製技術学校”がオープンしました!!


そのスラムは

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以前、ぴあらでも紹介した、イスラマバードの中でも
最貧困層が暮らすスラム・ムシャラフコロニーです。

300世帯以上が暮らす大きなスラム。その一角に

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”Free sewing school for Women”というポスター。
その先にいるのは、このセンターを開いたリファットさん(写真右)。

「私は、2009年から、スラムの女性たちの自立支援に取り組んでいます。
美容師育成が主な活動ですが、縫製技術もニーズが高いこともあり、このたび
女性たちが実際に暮らすスラムの中に学校を開くことにしました」

実は、縫製技術学校はリファットさんの自宅兼オフィスの一室にありました。

「美容師育成と縫製技術を学べる場所をつくったことで
”私も学びたい”というスラムの女性たちがどんどん増えました。
それは本当に嬉しいことでしたが、1つ大きな問題があって
希望する女性たち全員に来て貰えない、という状況に
陥ったのです」

その問題とは、女性たちの送迎。

オフィスとスラムは車で30分近く掛かる距離。リファットさんのNGOには
送迎用バスがあるわけではありません。自家用車を使って
オフィスとスラム間をピストン輸送していましたが
美容技術を学ぶ女性だけでなく縫製技術を学ぶ女の子までも
送迎するには限界がありました。

※スラムの女性には、往復のためタクシーやバスを使うお金の余裕はありません。

「ならば、彼女たちが暮らすスラムに学校を開けばいい!
そう思って、スラムの中に縫製技術学校をつくることにしたのです」

― スラムに学校といっても、スラム内にそんな場所はあるのでしょうか?

「嬉しいことに、このスラムの住人が無料で場所を提供してくれたのです」

この男性が

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協力を申し出てくれたIshaqさん。

政府機関のお茶くみ係が彼の仕事で月給は1万円ちょっと。
物価高のイスラマバードに暮らしながら
月々たったこれだけのお金で妻子(子供6人)を養っています。
まさに、Ishaqさん自身も最貧困層に属する人ですが
長年スラム女性支援に携わってきたリファットさんの活動に共鳴。
自分も協力したいと、小さな家の一部屋を縫製訓練センターとして
使うよう、リファットさんに申し出たのです。

スラムの住宅は空き地に自分たちで家を建てたのかと思いきや
実はそうではなく、中流層のパキスタン人が土地を買い、そこにスラムを建設。
職を求めて田舎から出てきた行くあてのない人々に、その家(といっても水道・電気・ガスなし)を
貸しています。貧困層を相手取ったビジネスの1つなんだとか。もちろん、Ishaqさんも
月々家賃を払ってこのスラムに住んでいます。


― 縫製学校の先生は誰にお願いしたのですか?

「これもスラムに暮らす女性がボランティアで先生をやります、と
申し出てくれました」

この女性が

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ボランティア講師を務めるリファットさん(リファットさんと同じ名前!)。
彼女は、もう少し状態の良いスラムに暮らすキリスト教徒。自身はテイラーショップで
働いてるので、縫製が本職。Ishaqさんと同じく、彼女も、リファットさんの活動に
共鳴し、自ら手を挙げました。

さて、この日は、縫製技術学校のオープニングセレモニー。

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Ishaqさんの小さな家の一室。そこには赤いリボンが!
招かれたパキスタン人牧師さんによるお祈りのあとにテープカット。

スラム内の縫製技術学校。学校といっても

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そこは、4畳半ほどの小さな小さな部屋。
そこにこの日を待ちわびた20人近くの女性がすし詰め状態・・・。

リファットさんは、彼女たちに

「あなた達はアーヤ(富裕層で働くメイド)になるために
生まれてきたわけではありません。ここで学び、努力を重ねれば
自分のスキルでお金を稼ぐことができます。自分の力で
生きていけるのです。自尊心を失わないでください。
大きな夢を持ってください。共に頑張っていきましょう」

と語りかけます。

一方、床に置かれているのは

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リファットさん提供の手動ミシン。そう、ここはスラム。
電気が通っていないので手動ミシンしか使えません。
また、アイロンに関しても炭やガスを使ったアイロンが使われています。

こうして始まった、スラムの中の縫製技術学校。
先月20日のオープンから、ちょうど2週間が経ちました。

― 学校の方は順調ですか?

「はい、順調です。授業は月曜から土曜日まで週に6回、15時~17時まで。
仕事をしている女性もいるので、来られたり来られなかったりの人もいますが
少なくとも13人の女性は毎回ちゃんと顔を出してくれます。嬉しいことに
そのうち5人はイスラム教徒。ムシャラフコロニーでは、宗教の違いによる
争いは全くなく、みんな助け合って生きているんですよ」

縫製は初めての女性たち。ミシンを使うのはまだ難しく、まずは縫製の基本の基本、
ハサミの使い方から学んでいます。彼女たちの最初の目標は、自分の服を自分で作れるようになること。

「”背伸びはしない。まずは、できることから”これが私たちのモットーです。
政府や外国NGOが展開するプロジェクトとはくらべものにならないくらいの
小さなプロジェクト。それでも、資金ゼロのNGOが、スラムに暮らす人たちの協力を得て
こうやって第一歩を踏み出すことができました。小さな一歩ですが、
スラムの中で、スラムに暮らす女性のためのプロジェクトを
立ち上げることができたことに、神様の導きを感じています」

現在、リファットさんは、女性たちの様子を見るため、ほぼ毎日スラムに通っています。
女性たちの習熟レベルのチェックはもちろん、彼女たちとチャイを飲みながら
語り合い、悩みを聞き、励まし、見守っているのです。

最後に、このスラムで暮らしている

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ぴあらな(可愛い)女の子4人組♡ご紹介。

10歳を超える頃には、アーヤとして働きに出される運命にある彼女たち。
でも、リファットさんが開いた縫製技術学校がこの女の子たちの運命を
変えるかもしれません。スラムの中の小さな学校には、彼女たちの大きな夢
可能性が詰まっている。そう信じて疑いません。
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コメント

No title

おめでとうございます。オープニングセレモニーに行けず、残念でしたが、詳しい記事のおかげで様子がよく分かりました。ありがとうございます。

2人のリファットさんやイシュファクさんなど、いろいろな人々がつながっていっているという印象を強く受けます。何らかの形で支援できましたらと思います。

Re: No title

温かいお言葉をいただき、嬉しく思っています。
いつもありがとうございます。今後とも
どうぞよろしくお願いします。

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